[おきなわ早わかり]
沖縄の各島々は、多種多様な樹木や花たちが息づく大きな植物園のよう。
沖縄は亜熱帯海洋性気候で、常夏の島といわれるだけに植物の種類が豊富で、一年中緑が絶えません。固有種をはじめ、北限種・南限種、多くの帰化植物が見られます。
南西諸島を植生区分にわける場合、奄美諸島と沖縄諸島一帯を中琉球(なかりゅうきゅう)といいますが、この地域に固有種が最も多く見つかっています。太古には、現在の中国大陸とつながっていたところから、中国と同じ植生も見られます。
植物は、風や鳥や海流によって移動し、分布を広げます。たとえば、フィリピンやマレーシア方面から入ってきたと思われる植物は、渡り鳥が種子を持ち込んだとも考えられます。また、種子や果実が海流で運ばれ、各地にある湿地帯に着き、そこで根付いたと思われます。
県内でアカバナやブッソウゲと呼ばれているハイビスカスは、生垣や街路樹に利用されることが多く、ほぼ一年中、花を見ることができます。色は赤、白、黄色、ピンク、オレンジなどさまざまで、花弁がうすく大きな花は、華やかな印象を与えます。ハイビスカス同様、県民に広く親しまれている花に、ブーゲンビレアがあります。一見花に見える部分は苞(ほう)といい、葉が変化したものです。花はその真ん中で小さく白く咲いています。苞の色は紫、ピンク、黄色、白など多くの種類があります。
県民の生活に深くかかわりをもつ植物が、サンニン(月桃)、イジュ、クロキ(リュウキュウコクタン)です。サンニンは旧暦12月8日のムーチー(この日に鬼餅を食べる古くからの習慣)の際、香りの良さや、その殺菌効果から餅を包み保存するのに利用されています。イジュは初夏に白い花をつける木で、主に本島北部で見ることができます。この木の木灰が、沖縄そばの製麺に使われたこともあったようです。またクロキは成長が遅いため、材質が硬く、以前は三線(サンシン)の棹に用いられていました。
常緑樹が多い沖縄の中で、数少ない落葉樹としてはアコウ、デイゴ、コバテイシ、ヒカンザクラ、センダンなどがあります。デイゴは10mを越す高木にもなり、初夏になると真紅の花をつけ、その花は県花にもなっています。また、ヒカンザクラは1月下旬頃に開花し、全国一早く春の訪れをつげます。
常緑樹としては、防風林・防潮林としても植栽されるガジュマルなどが多く見られます。名護市(なごし)にある有名なヒンプンガジュマルは、推定樹齢が300年。この木は、国指定の天然記念物になっています。
ほかにも、グミモドキ、タイミンタチバナ、イスノキ、ヤブニッケイなど熱帯性の常緑広葉樹が生育しています。
そのほか、クバ笠や団扇の材料になるビロウやクロツグなどのヤシ科の植物、県木に指定されているリュウキュウマツ、パイナップルの実と見間違えるような集合果のアダンなどがあります。またソテツは、細くて強靱な葉を持つため、おもちゃのない時代、その葉で虫カゴが作られました。
また、海水と淡水が交ざりあう汽水域に生育している植物のまとまりのことをマングローブと呼びます。オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギといったヒルギ科の植物から成るマングローブの林では、さまざまな種類の陸地の動植物と海の動植物を観察することができます。
多種多様な植物が息づく沖縄。各島々は、まるで大きな植物園ともいえるでしょう。
| [参考文献] |
城間朝教編著、『カラー百科シリーズ沖縄の自然 植物誌』、新星図書
1989年、『日本の生物 特集‐琉球列島の生物(1)』、文一総合出版
花井正光、石垣金星ほか、1995年、『子どもとはじめる自然[冒険]図鑑「南の島を旅する」』、岩波書店
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情報提供者:
(財)沖縄観光コンベンションビューロー
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