平成20年の本県観光は、上半期は順調に推移したものの下半期に発生した米国の金融危機に端を発した世界的景気後退の影響を受け、急激な円高やその影響による国内景気の低迷、韓国におけるウォン安等、厳しい国内外経済情勢の下にありましたが、過去最高の観光入域客を記録するなど堅調な伸びを維持しているところであります。
この本県観光の進展は、国内旅行者の底堅い“沖縄人気”に支えられるとともに、(1)修学旅行の堅調な維持、(2)団体旅行や企画商品、航空会社の割引運賃の好評での推移、(3)台風の影響が少なかったこと、(4)燃油サーチャージ高騰などの影響による海外旅行から沖縄旅行へのシフト、(5)高松-那覇線の航空路線が通年運航になったことに加え、(6)「ビジットおきなわ計画」に基づく各種観光誘致対策事業の旺盛な展開、とりわけリゾートウエディングが過去最多を記録したこと、(7)プロ野球キャンプを始めとする各種スポーツコンベンションの順調な推移などが増加要素に上げられます。
一方、外国人旅行者につきましては、世界的な景気後退の影響を受けつつも香港からの定期直行便の増便やマカオからのチャーター便利用の観光客が好調であったことや大型クルーズ船の運航延長の効果等で順調に推移をしてきたところであります。
この結果、入域観光客数は過去最高の約604万5千500人(対前年比3%増)に達するなど、本県の観光・コンベンション関連産業は先駆的・先導的総合産業としての役割を担い、県経済の着実なる発展に大きな貢献を果しており、経済の自立的発展へ向けての牽引的使命はますますその重要度を増しつつあります。
しかし、本県観光の持続的発展を図る上において、取巻く国内外の環境は依然として厳しく、深刻の度合いを増しつつある社会・経済情勢の混迷を背景に昨年よりも激動の年になるものと認識しております。
その一つは、国内外観光先進地との激しい競合であり、円高、ウォン安による海外旅行へのシフトの動向、長引く国内景気の低迷による観光需要の低価格志向やビジネス需要、団体旅行の手控え等による減少への少なくない懸念事項であります。特に、ウォン安による影響は韓国から本県への入込客の大幅な落ち込みとなり厳しく捉えております。
二つ目には、本県への修学旅行を巡る環境の変化が上げられます。小子化の進展による生徒数の減少に加えて、旅行費用の上限枠の設定、航空運賃の値上げ、全国各自治体の首都圏での誘致競争の激化、ピ-ク時における航空座席の不足等の影響であります。
三つ目には、原油高騰の影響による国内航空路線の運休(那覇-福島路線他2路線)や減便(那覇-仙台路線他1便)があげられますが、他方で新設路線(中部-石垣路線他4路線)や増便(松山-那覇路線他1路線)があり、国内航空路線の再編状況を踏まえた戦略的マーケティングの展開が重要であるとの認識をしております。
四つ目には、本県を訪れる観光客の約7割を占めるリピーターへの的確な対応であります。リピーターの観光動向を踏まえた新たな観光メニューの造成や拡充・強化、タイムリーな情報発信の構築は早急な課題と認識をしており、訪問者ニーズに応え得る受入態勢の整備においても更なる努力を傾注し取り組むことの重要性の観点であります。
このことから、平成21年度においては、県観光施策の数値目標であります入域観光客数630万人(うち、外国人観光客数30万人)、観光収入4,851億円の政策課題の達成に向け積極的な活動展開をしてまいります。
誘客部門におきましては、国内外における実効性ある誘客プロモーションを引き続き旺盛に展開するとともに、特に、海外からの誘客につきましては海外向け観光情報発信機能の強化を図り、誘客プロモーションと連動した広報宣伝活動を展開し、将来展望の百万人を見据え、ターゲットを絞った国別、地域実情に即応した実効性ある戦略的活動に取り組み、MICEの誘致促進、人気度の高い沖縄リゾートウエディング等の県重点施策の着実な進展を図ってまいります。
また、受入部門につきましては、「住民にとっての住みよい街」が、安心・安全・快適な空間に繋がり、結果としてより良い観光地になるものであるとの認識から、観光関連業界、市町村、地域住民との密なる連携の下に本県観光の特性を活かした「多様性に富み魅力あふれる観光地づくり」に向けて積極的な支援を行い、地域総体のイメージアップを促進してまいりたいと考えております。
さらに、「質の高い観光・リゾート地沖縄」の形成を目指して、その担い手となる実践力のある観光人材の育成、観光関連従事者の資質の向上にも取組みを強化するとともに、体験・長期滞在型観光やシニア層獲得に向けた魅力あるニューツーリズム(ロングステイツーリズム、エコツーリズム等)等の県重点施策の積極的推進を図ってまいります。
以上のような、取組みの実現を図るべく、財団法人沖縄観光コンベンションビューローは、平成21年度事業方針を次のとおりに掲げ、国や県並びに観光関連業界、市町村観光協会、キャリア、エージェント、学術機関等との密接な産官学連携の下、新規マーケットの開拓、海外市場への展開など、更なる観光振興へ向けた諸活動を展開してまいります。
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誘客宣伝事業では、観光客年間630万人(H21年度)を目指す新たな観光計画「ビジットおきなわ計画」に基づき、平成21年度誘客の重点項目として、(1)沖縄観光誘客特別対策、(2)外国人観光客の誘客促進、(3)MICE誘致促進、(4)リゾートウエディングの推進、(5)ニューツーリズム推進の県施策重点項目に係る誘客プロモーションを従来のアジア地域に加えて欧米からの誘客も視野に入れた強力な活動展開とするとともに、幅広いマーケットへの取組みとして、修学旅行の誘致、離島観光の促進に航空会社や旅行会社等と連携した事業展開を行う。
また、こうした事業展開に連動したマスメディア、ウェブサイト(真南風プラス)や紙媒体を活用した誘客プロモーションの強化に取り組む。
コンベンション振興事業では、沖縄観光の付加価値の向上に資する国内外のコンベンション誘致促進のため、沖縄県、国際観光振興機構(JNTO)、日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)、沖縄国際会議観光都市推進連絡協議会(那覇市・浦添市・宜野湾市・沖縄市の国際会議観光都市4市)との連携の下、「コンベンション・アイランド沖縄」の形成に取組み、会議・インセンティブツアー・スポーツキャンプ等各種MICEの誘致支援活動を積極的に展開する。
受入対策事業では、“質の高い沖縄観光の実現”に向けて、観光産業従事者の資質向上を図ることを目的とした「観光基礎セミナー(接遇・マナー・歴史・文化)」「観光産業における次世代リーダー育成」に取組みます。
また、県の「ビジットおきなわ計画」の重点項目に沿ったMICEの推進に対処するため「MICEセミナー」や外国人観光客の誘致促進のためのボランティア通訳を対象にしたスキルアップセミナーなどに取り組む他、「沖縄観光タクシー乗務員資格認定」の継続実施など県の制度資金を活用して積極的に推進していく。
次に、美化活動等を通じた県民に対する更なる観光理念の普及、台風時における観光客対応や地域観光協会および関係業界との連携を密にし、持続可能な観光地づくりに向けての関連事業を推進していく。
さらに映像産業を活用した観光・地域振興を図るため、映像作品の撮影誘致・支援、ロケ地の観光商品化推進や市町村及びプロダクションとの連携強化等フィルムオフィス機能の拡充・強化に取り組んでいくとともに、映像産業をビジネス需要に転化させるべく積極的に新規、マーケットの開拓にも取り組んでいく。
イベント推進事業では、沖縄花のカーニバル事業の推進を通じて、フラワーアイランド沖縄の形成に取り組むとともに、市町村、観光関連団体が主催する各種イベントへの支援、イベント情報誌の発刊を通じた前広な情報発信を行ない、「冬でも花の咲く沖縄」の温暖な南国イメージを最大限に活用し、入域観光客の増加に努める。
観光情報センター運営事業では、OCVBホームページ「真南風プラス」を沖縄観光情報の総合サイトとして機能強化を図るとともに、各種観光情報の発信に積極的に取り組む。
収益事業では、沖縄コンベンションセンター、万国津梁館及び海軍壕公園の管理運営を平成21年度より県からの指定管理者として再度指定を受けており、県内外の関係部門との連携など営業体制の強化により、更なる収益向上を目指す。
加えて「旧海軍司令部壕事業所」、ブセナ海中公園事業所(海中展望塔、グラスボート等)」、「万国津梁館自主事業(リゾートウエディング)」の利用促進に努め、公益事業の財務強化に資する。