令和3年度 事業の実績報告

2022.06.21

総括
 令和3年度の沖縄観光は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の拡大による国内各地での緊急事態宣言の発令等に伴う旅行自粛や、海外の渡航制限などが大きく影響した。
入域観光客数は327万4,300人と対前年比26.7%増(690,700人増)と増加はしているものの、令和元年度と比べると65.4%減(6,194,900人減)と厳しい状況は続いている。
 
 そのような状況において、OCVBのプラットフォーム機能を最大限発揮させるため、新たに「沖縄県観光協会等協議会」を発足させ、沖縄ツーリズム産業団体協議会と連携し、時々刻々と変化する現状の課題について議論を重ね、観光産業の維持、回復に向けて県や国に対する要請や政策提言を行った。また、本県経済・産業・地域の成長発展や振興を図るため、多様な関係者が産業分野の垣根を超え、互いに連携・協働し、沖縄での新たな滞在スタイルの提案と推進を目的に、沖縄リゾートワーケーション推進協議会を設立し、「産・学・官・金」が連携を図り、推進していくプラットフォームもスタートさせた。
 
 このような関連団体との連携により、コロナの影響を受けた県内観光事業者の事業継続を支えるべく沖縄彩発見キャンペーンや、沖縄彩発見バスツアー促進事業など新たな観光需要の創出を図った。更に、宿泊事業者が実施する感染拡大防止策及び新たな需要に対応するための取組に要する経費の一部支援事業(事務局)などを行い、沖縄観光の回復を目指した。
 
 国内観光客の誘致対策については、ターゲット・テーマ別のプロモーションや教育旅行、スポーツ、MICE等の各種事業を展開した。壊滅的な打撃を受けている観光業界を回復基調に乗せるため、感染拡大を防ぎながら「防疫型観光」を実現させる目的で、各種プロモーション時において感染対策を盛り込んだ情報発信を徹底することで感染抑制と観光誘客の両立を図った。更に限られた入域観光客数で観光消費額を確保するために消費単価の向上を目指した「人や社会・環境などに優しい観光(エシカルトラベル)先進地・沖縄」のイメージ浸透プロモーションを展開した。
 
 外国人観光客の誘致については、コロナの影響で世界的な渡航制限により、沖縄における航空路線及びクルーズ入港回数は皆無となった中、県と連携し、各市場において、渡航再開時期を見据えた各種事業に取り組んだ。最も早く回復が見込まれると予測した重点市場(中国、韓国、台湾、香港)を中心に状況に応じた柔軟な対応を試み、ウェブSNSを活用したプロモーションの一層の強化や、旅行業界向けの活動に注力した。また、東京を中心に居住している海外駐在員等(エキスパッツ)に対し、「自然、文化、健康食等」をテーマにVisit okinawa Japanサイトにて新記事を作成するとともに、WEB/SNSにて沖縄に対する口コミ投稿やフォトキャンペーン等を通じて情報発信を図った。
 
 MICE誘致については令和2年度に続くコロナの影響で、国内外における商談会・見本市への参加や、OCVB主催の説明会などの直接的な誘致活動は制限されたが、その反面、オンラインによるセミナーなどが定着し抵抗なく受け入れられるようになってきた。オンラインツールを活用したセミナーや商談会、勉強会などの実施により、コロナ禍の沖縄におけるMICE開催についてのPRに繋げた。また、沖縄MICEネットワークの取り組みを通じて、県内MICE関連事業者の連携を図り受入体制を強化した。
 
 教育旅行については、コロナの感染拡大による措置期間の影響で中止又は近場への方面変更等により大きく減少を余儀なくされた。
通常の学校フォローの他に、安全・安心な沖縄の医療・受入体制の周知を図るため、県内事業者の感染症対策一覧表を作成するとともに、実施を検討している学校に対し、現地の視察旅費を一部負担し、学校関係者自身の目で感染症対策を確認していただいた。また、学校や旅行社に対しオンライン勉強会を行うなど、沖縄修学旅行の実施促進を図った。
 
 観光危機管理については、沖縄県観光危機管理基本計画・実行計画に基づき、観光地としての安全・安心を確保すべく、様々な取り組みを行った。セミナーでは、行政・観光・医療の立場から、これまでのコロナ対策の取組と課題を振り返るとともに、今後の沖縄観光を考える「ポストコロナ時代の沖縄観光再興に向けて」と題したセミナーを開催した。また、1年ぶりの開催となる観光危機管理体制運用図上訓練では、地震+津波+コロナの状況を想定し、各フェーズ(初動・応急・復興)における対応への理解とそれに伴う訓練を行った。
 
 広域連携DMOについては、アドベンチャーツーリズム、空手ツーリズム、観光二次交通等、地域の稼ぐ力の向上や沖縄観光の課題解決に向けた各種事業に取り組んだ。特に令和3年度は、新たな沖縄観光サービス創出支援事業(内閣府)において、コロナの感染拡大防止と観光促進の両立を図り、沖縄の自然・歴史・文化等を活かし、観光客の消費単価や滞在日数向上に資するモニターツアー開発支援を行い、今後の沖縄観光振興に繋がる取り組みを行った。
 
 OCVBにおける広報については、賛助会員サービスの一環として「OCVB News」を発行し、入域観光客数の見通しや入域実績、国内外市場の動向分析やOCVB事業等を紹介した。またOCVB公式サイトにおいて組織情報、年間スケジュール、公募情報、活動報告を展開し、OCVB実施事業の透明化を図った。
また、観光情報発信をより強力に進めるために、沖縄観光親善大使「ミス沖縄」によるSNSの運営(Facebook、Instagram、YouTube)の拡充を図り、県内外に様々な沖縄観光の魅力を伝え、沖縄に対する興味関心を維持することに努めた。
 
 自主事業については、ブセナ海中公園、旧海軍司令部壕の運営、指定管理施設として海軍壕公園の管理運営、シェアサイクルちゅらチャリ運営事業を行った。ブセナ海中公園においては、コロナの影響と重ね、小笠原諸島近辺の海底火山の噴火に伴う軽石の漂着によりグラスボートの欠航などマイナス要因が続いたが、民間事業者とタイアップを行い、グラスボートのラッピング、海中展望塔のライブカメラの設置、ふるさと納税制度の活用などと併せ、新たな取組を行い情報発信を図った。

  (「令和3年度事業の実績報告」資料一部抜粋)
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