8月1日観光の日「 観光と医療の連携強化を」

2020.08.01

8月1日は、沖縄県が沖縄県観光振興条例(1979年)に基づき独自に定めた「観光の日」です。観光の日は、県民が観光に対する認識を新たにするとともに、本県の観光を広く紹介する日となっています。
また、2011年には、8月を「観光月間」として定め、官民一体となって受け入れ態勢の強化を図り、より質の高い観光地を目指すこととしています。

全国的にも観光振興への取り組みが進められていますが、観光振興条例、観光の日、観光月間という3本柱をたてて取り組んでいるのは沖縄県のみです。
沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)及び沖縄県観光教育研究会が県民の観光理解を深めるために取り組んできた小学生向け観光学習教材は、これまで25万冊が発行され、小学生のみならず専門学校など幅広く活用されています。

同教材では、観光の力として、相互交流による平和への貢献、地域の自然や文化への理解促進、地域経済発展への貢献の3点を強調しています。観光月間は夏休みの期間にもあたることから、クリーンアップ活動への参加を通して、親子で沖縄観光の重要性を考える機会を設けてきました。
今年は、新型コロナウイルス感染予防のため、参加型のイベントは開催されませんが、18日には沖縄観光発展に尽力した関係者を表彰する「観光功労者表彰式典」が行われることになっています。

本来であれば、沖縄観光のピークである夏場は、国内外から多くの観光客が訪れ、県内各地が賑わっているところですが、今年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、観光客が大幅に減少しています。
OCVBの推計では、年間を通しての観光客数は昨年比約6割減となり、県経済への打撃は計り知れません。
こうした厳しい状況から脱却するためには、官民挙げて感染防止対策を強化することが必要です。

空港や港での水際対策や、市中感染防止対策の強化とともに、観光関係者は医療支援として軽症者、無症状者及び医療関係者向けの宿泊施設の提供や搬送支援などに取り組む必要があります。
医療関係者から、医療が観光のインフラであると同時に、観光も医療のインフラであって欲しいというメッセージに応える必要があります。
親切にもてなすことを意味するホスピタリティと、病院を意味するホスピタルは、保護を意味する同じ語源(ホスピス)からきています。


今年の観光の日は、観光という枠を超えて、「経済と健康」を支えるために一人ひとりが出来ることを考え、行動する日にしたい。
新たな取り組みを通して観光の基本である、「住んでよし、訪れてよし、受け入れてよし」を目指しましょう。

 
  沖縄観光コンベンションビューロー会長 下地芳郎 
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