令和6年度観光人材育成・確保促進事業「観光業従事者を対象とした従業員満足度調査」実施結果について
2025.04.30
一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(会長:下地芳郎、以下OCVB)は、沖縄県より観光人材育成・確保促進事業を受託しており、「観光業従事者を対象とした従業員満足度調査」を実施いたしました。結果を公表いたしますので、社内の人事制度や採用活動、エンゲージメント向上に向けた取り組みなどにお役立てください。
【調査概要】
調査目的:沖縄県では観光業の人材不足や若年者の早期離職が課題となっている。そのため、県内観光業従事者の
現状、課題及び要望等を把握し、新たな施策展開を図ることを目的に調査を実施する。
調査対象:沖縄県内の観光関連業従事者(経営者・役員・理事等を除く)
調査期間:令和7年1月6日(月)~1月31日(金)
調査方法:観光関連企業宛にメールや案内状送付によりWEBアンケート調査を実施
有効回答数:442件
【結果概要】
○業界や勤務先を決定するうえでの重要度について、「待遇(給与・賞与など)」が最も重要視されている傾向にある。
○現在の仕事(勤務先)に対する満足度では、「職場環境(立地、設備など)」や「職場の人間関係や信頼関係」、「働き方の柔軟性」において満足度が高い結果となった。一方、「待遇(給与・賞与)」については満足度が低い傾向にあり、重要度とのミスマッチが考えられる。
○観光業界での勤続意向では、働き続けたいと考えている従事者が73.5%を占めている。働き続けたい理由について、「観光業の仕事が好きだから」という回答が最も多い。
○現在働いている会社での勤続意向については、働き続けたいと考えている従事者の割合は約72%となった。また、年齢が高い従事者ほど勤続意向も強い傾向にある。働き続けたい理由としては、「職場の雰囲気や同僚との関係が良好であるため」という回答が最も多く挙がっていた。
○有給休暇の取得について、約8割の従事者が有給休暇を取得できる(いつでも気兼ねなく取得することができる+調整は必要だが、取得することができる)という結果となった。
■職業重要度・満足度について
“業界や勤務先を決定するうえでの重要度について、それぞれお答えください”という設問について、「非常に重要である」と回答した割合が最も高い項目は【待遇(給与・賞与など)(70.1%)】となっており、次いで【職場の人間関係や信頼関係(69.5%)】、【働き方の柔軟性(62.4%)】、【仕事の内容や仕事量(56.1%)】などと続いている。
“現在の仕事(勤務先)に対する満足度について、それぞれお答えください”の設問では、【職場環境(立地、設備など)】や【職場の人間関係や信頼関係】、【働き方の柔軟性】の項目で満足度が高い結果となった。
全体的には多くの項目で満足している(非常に満足している+満足している)という回答が過半数を占める一方、【待遇(給与・賞与など)】においては、満足していない(満足していない+まったく満足していない)という回答割合が高くなっている。次いで、【能力開発・研修制度】の項目で満足度が低い結果となった。
[職業満足度について(n=442)]

【調査概要】
調査目的:沖縄県では観光業の人材不足や若年者の早期離職が課題となっている。そのため、県内観光業従事者の
現状、課題及び要望等を把握し、新たな施策展開を図ることを目的に調査を実施する。
調査対象:沖縄県内の観光関連業従事者(経営者・役員・理事等を除く)
調査期間:令和7年1月6日(月)~1月31日(金)
調査方法:観光関連企業宛にメールや案内状送付によりWEBアンケート調査を実施
有効回答数:442件
【結果概要】
○業界や勤務先を決定するうえでの重要度について、「待遇(給与・賞与など)」が最も重要視されている傾向にある。
○現在の仕事(勤務先)に対する満足度では、「職場環境(立地、設備など)」や「職場の人間関係や信頼関係」、「働き方の柔軟性」において満足度が高い結果となった。一方、「待遇(給与・賞与)」については満足度が低い傾向にあり、重要度とのミスマッチが考えられる。
○観光業界での勤続意向では、働き続けたいと考えている従事者が73.5%を占めている。働き続けたい理由について、「観光業の仕事が好きだから」という回答が最も多い。
○現在働いている会社での勤続意向については、働き続けたいと考えている従事者の割合は約72%となった。また、年齢が高い従事者ほど勤続意向も強い傾向にある。働き続けたい理由としては、「職場の雰囲気や同僚との関係が良好であるため」という回答が最も多く挙がっていた。
○有給休暇の取得について、約8割の従事者が有給休暇を取得できる(いつでも気兼ねなく取得することができる+調整は必要だが、取得することができる)という結果となった。
■職業重要度・満足度について
“業界や勤務先を決定するうえでの重要度について、それぞれお答えください”という設問について、「非常に重要である」と回答した割合が最も高い項目は【待遇(給与・賞与など)(70.1%)】となっており、次いで【職場の人間関係や信頼関係(69.5%)】、【働き方の柔軟性(62.4%)】、【仕事の内容や仕事量(56.1%)】などと続いている。
[職業重要度について(n=442)]

“現在の仕事(勤務先)に対する満足度について、それぞれお答えください”の設問では、【職場環境(立地、設備など)】や【職場の人間関係や信頼関係】、【働き方の柔軟性】の項目で満足度が高い結果となった。
全体的には多くの項目で満足している(非常に満足している+満足している)という回答が過半数を占める一方、【待遇(給与・賞与など)】においては、満足していない(満足していない+まったく満足していない)という回答割合が高くなっている。次いで、【能力開発・研修制度】の項目で満足度が低い結果となった。
[職業満足度について(n=442)]

重要度・満足度の各選択肢について4象限に分けたところ、以下のような結果が得られた。
■観光業での勤続意向について
“観光業界で働き続けたいと思いますか”の設問について、働き続けたい(とてもそう思う+そう思う)と回答した割合は73.5%となった。そう思わないと回答した割合は22.6%、まったくそう思わないと回答した割合は3.8%。
[観光業界での勤続意向(n=442)]

[現在の職場での勤続意向(n=442)]

“今後、何を改善すれば現在の職場でより働き続けたいと考えますか”の設問では、【金銭面の改善(給与やボーナスの増加)(73.3%)】を求める意見が多く見られた。
[現在の職場での勤続意欲向上のための取り組み(複数回答 n=318)]

“今後、何が変われば現在の職場で働き続けたいと思いますか”の設問では、働き続けたいと回答した従事者の意見と同様、【金銭面の改善(給与やボーナスの増加)(79.8%)】と回答した割合が最も高い結果となった。
[有給休暇の取得しやすさ(n=442)]
沖縄県の観光業では、コロナ禍後の観光需要の回復に伴い人材不足が深刻化しています。今回の調査で明らかになった通り、賃金水準の低さに対する不満の声が多く、「観光人材の確保に向けたアンケート調査」でも、企業からも賃金が低いことが人材を確保できていない要因の1つとして挙げられています。
一方で、従業員の70%以上が観光業で働き続けたいと考えていることが分かり、業界に対する愛着や仕事の魅力を感じている層が多いことも明らかになりました。これは、観光業界が持つやりがいや社会的な役割の重要性が認識されていることを示していると考えられます。このポジティブな要素を業界内外に発信していくと同時に、待遇改善や労働環境の整備を進めていくことで、学生や求職者にとっても魅力的な業界となり人材の定着だけでなく確保にもつなげることができます。
企業が待遇の改善に取り組むためには、財源の確保が欠かせません。そのためには観光業全体として利益率向上が必要であり、特に、適切なコスト管理や収益性向上など“経営者の財務管理力や財務戦略の強化”が重要です。
人材不足や若年層の早期離職等の課題を解消し観光業従事者がより満足して働ける環境にするために、沖縄県とOCVBでは、経営力向上を目的とした各種セミナーや、専門家の派遣を行うハンズオン支援などを行う「観光人材育成・確保促進事業」や、観光事業者が人材不足を補うために実施する設備投資やシステム構築などの無人化・省人化に向けた取組を支援する「観光事業者収益力向上サポート事業」等を通じて、引き続き県内観光事業者の人材育成・確保や、経営者の皆様のサポートを行ってまいります。
※詳しい調査内容や回答者の属性は、下記結果報告書をご確認ください。
- 重要維持項目:「職場の人間関係や信頼関係」や「仕事の内容や仕事量」、「働き方の柔軟性」、「職場環境(立地、設備など)」といった選択肢では、重要度・満足度ともに高く、満足度の継続的な維持・強化が求められる。
- 重点改善項目:「待遇」や「評価の妥当性」の選択肢については、職業選択における重要度が高いものの、満足度が低い結果となっており、重点的な満足度の改善が求められる。
- 改善項目:「能力開発・研修制度」や「会社の経営方針やビジョンなどの共有」の選択肢では、職業選択における重要度はやや高いが満足度が低くなっており、重点改善項目の次に満足度の改善が必要であると考えられる。
[【参考】重要度と満足度における各選択肢の分類]


注:【重要度】は、回答全体に占める「非常に重要である+重要である」の割合。【満足度】は、回答全体に占める「非常に満足している+、満足している」の割合。赤線は、各選択肢を合算した【重要度】・【満足度】それぞれの平均値を示している。
“観光業界で働き続けたいと思いますか”の設問について、働き続けたい(とてもそう思う+そう思う)と回答した割合は73.5%となった。そう思わないと回答した割合は22.6%、まったくそう思わないと回答した割合は3.8%。
[観光業界での勤続意向(n=442)]

観光業で働き続けたい(とてもそう思う+そう思う)と回答した従事者について、働き続けたい理由として【観光業の仕事が好きだから(72.6%)】と回答した割合が最も高い結果となった。
[観光業界で働き続けたい理由(複数回答 n=325)]


“現在の職場で働き続けたいと思いますか”という設問について、働き続けたい(とてもそう思う+そう思う)との回答が約7割を占める。【そう思わない】と回答した割合は20.8%、【まったくそう思わない】は7.2%となった。
[現在の職場での勤続意向(n=442)]

働き続けたいと回答した従事者について、働き続けたい理由として【職場の雰囲気や同僚との関係が良好であるため(61.3%)】との回答が最も多い結果となった。次いで【休暇制度や福利厚生が充実しているため(33.0%)】、【給与やボーナスが満足できる水準であるため(28.9%)】などが続いた。
[現在の職場で働き続けたい理由(複数回答 n=318)]


[現在の職場での勤続意欲向上のための取り組み(複数回答 n=318)]

働き続けたくないと回答した従事者について、働き続けたくない理由は【給与や報酬が低いと感じるため(68.5%)】と回答した割合が最も高く、次いで【職場の将来性に不安を感じるため(52.4%)】、【長期的なキャリアビジョンが見えないため(50.0%)】などが続いている。
[現在の職場で働き続けたくない理由(複数回答 n=124)]


“今後、何が変われば現在の職場で働き続けたいと思いますか”の設問では、働き続けたいと回答した従事者の意見と同様、【金銭面の改善(給与やボーナスの増加)(79.8%)】と回答した割合が最も高い結果となった。
[現在の職場での勤続意欲改善ための取り組み(複数回答 n=124)]


■有給休暇の取得しやすさについて
“勤務先での有給休暇の取得しやすさについて、あてはまるものを1つ選択してください”という設問について、【いつでも気兼ねなく取得することができる(28.3%)】と【調整は必要だが、取得することができる(53.8%)】の合計が全体の8割超となっている。
“勤務先での有給休暇の取得しやすさについて、あてはまるものを1つ選択してください”という設問について、【いつでも気兼ねなく取得することができる(28.3%)】と【調整は必要だが、取得することができる(53.8%)】の合計が全体の8割超となっている。
[有給休暇の取得しやすさ(n=442)]

沖縄県の観光業では、コロナ禍後の観光需要の回復に伴い人材不足が深刻化しています。今回の調査で明らかになった通り、賃金水準の低さに対する不満の声が多く、「観光人材の確保に向けたアンケート調査」でも、企業からも賃金が低いことが人材を確保できていない要因の1つとして挙げられています。
一方で、従業員の70%以上が観光業で働き続けたいと考えていることが分かり、業界に対する愛着や仕事の魅力を感じている層が多いことも明らかになりました。これは、観光業界が持つやりがいや社会的な役割の重要性が認識されていることを示していると考えられます。このポジティブな要素を業界内外に発信していくと同時に、待遇改善や労働環境の整備を進めていくことで、学生や求職者にとっても魅力的な業界となり人材の定着だけでなく確保にもつなげることができます。
企業が待遇の改善に取り組むためには、財源の確保が欠かせません。そのためには観光業全体として利益率向上が必要であり、特に、適切なコスト管理や収益性向上など“経営者の財務管理力や財務戦略の強化”が重要です。
人材不足や若年層の早期離職等の課題を解消し観光業従事者がより満足して働ける環境にするために、沖縄県とOCVBでは、経営力向上を目的とした各種セミナーや、専門家の派遣を行うハンズオン支援などを行う「観光人材育成・確保促進事業」や、観光事業者が人材不足を補うために実施する設備投資やシステム構築などの無人化・省人化に向けた取組を支援する「観光事業者収益力向上サポート事業」等を通じて、引き続き県内観光事業者の人材育成・確保や、経営者の皆様のサポートを行ってまいります。
※詳しい調査内容や回答者の属性は、下記結果報告書をご確認ください。
この件に関するお問い合わせ
部署名 | 国内事業部 受入推進課 |
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担当者 | 具志堅・喜瀬 |
TEL | 098-859-6129 |
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